面白い

渡辺恒雄 メディアと権力」読了。
後書き(or解説のどっちか)で書いてあったんだが、この本で描写されてる男の闘いってのは例えば三国志演義のような胸高鳴るものではない。そこにあるのは陰謀と猜疑心と嫉妬心と恨みつらみと我が身かわいさと権力欲と・・・とにかく暗い情念なのであるな。だから読後の爽快感なぞ得られない。むしろ色々想像して暗澹な気分になる事うけあい。
さらに言っとくとナベツネさんは間違っても善人じゃあない。この人のやってきたことは問題だらけだと俺も思う。
でもな、それでもこの人は面白いよ。だって毒にも薬にもならない凡人やボケッとした善人なんぞとは持ってるパワーが根本的に違うものな。たまたまこの世界に生まれてああいう人生を築いていったわけだけど、この手の人間はいつ何処で生まれようと「ごく普通の人生」とは縁の無い生き方をするんじゃなかろうか。そのひとにしかできない生き方って言えばいいんかな。うまく伝えられないが。
俺こういう本ってあまり読んできてないけど、まだまだ面白いものは沢山ありそうだから機会があったらまた何か読んでみるかな。うむ。