面白かったけど

はい、こちら国立天文台―星空の電話相談室 (新潮文庫)」読了。
・・・うーむ。内容は面白かったんだけど、俺の期待してたものとは違った。考えてみりゃ著者は広報の人で天文台勤務の職員ではないのだから当然か。「天文台日記 (中公文庫BIBLIO)」みたいなのだと思ったんだが。
さて、読み終わってから考えてみるに、俺は天文台に限らず「人が住む用とは別の目的で造られた建物」が好きらしい。図書館・水道塔・発電所・工場・観測所とかそういうの。で、それらに申し訳のように居住スペースが付随しているっていうのが一番萌えるみたいだ。こう、ごく小さくて簡素なものが。で、その居住スペースに仕事に必要なものが溢れてきてるのが良い。それで世間の人とは違うリズムで仕事をこなしつつ、生活するのだ。んーと「中継ステーション (ハヤカワ文庫 SF 265)」のイノックの家みたく。*1
なんと言うか、俺は別に自分の暮らす空間ってのが狭くてもいっこうに構わないって人間らしい。確かに家は本棚さえ置けりゃ後はどうでもいいし。ベッドなんか邪魔なんだよな。これどかして布団で寝るようにすりゃあと2つくらい本棚が置けるし。
そうそう、それで思い出したけど、ホテル浦島。知ってる人は知ってる「かつてJGCの会場だった」ホテル。これの部屋ってのがまた狭くてなあ。一応ベッドは各部屋に2つずつあったけど、はっきり言って同室に2人も人間が居たんじゃ容量オーバー。今は横浜プリンスホテルに移ったけども俺なんか去年そこに泊まったとき「風呂で足が伸ばせる」「部屋の中を普通に歩ける」ことにただならぬ衝撃を受けた(笑)。なんでこんな快適なんだよって思ったもんな。
しかし。俺はあの狭苦しくてなんか薄汚れてて空調もよく効いてなかったホテル浦島のほうが好きだったってことに気付いたよ。広くて明るくてくつろげるのも大変良いけれど、あの狭苦しいのはまたそれで楽しめたなあ、と。
虫の声を聞きつつ、そんな感じ。

*1:でもこれはまたちょっと違うのかも。うーん、いい例がとっさに思い浮かばないな。