理想の図書館

「日々是魚を蹴る」様(id:walkeri:20050914)のところで知った内容。
な、なんて素晴らしい・・・。もう想像するだけで嬉しくなってくる。大魔人を倒して呪いを解かないと保管庫には入れなかったりすると尚良いね。
さて、それで思い出した話。

じつは、わたくしこういうものです

じつは、わたくしこういうものです

この本からの引用。前にも言ったが俺はこのなかにある『シチュー当番』が一番好きだ。今日は少し詳しく紹介してみる。

シチュー当番は文字通りシチューを作る当番。『冬眠図書館』という図書館の司書のひとりが担当している。『冬眠図書館』とは文字通り冬だけの営業で、開館時間は夜の8時から朝の8時までの夜通し。もちろん公立ではないので貸し出しには料金がかかる。この図書館には春・夏・秋を一生懸命働いて、冬になったらもう本が読みたくて堪らない、本に囲まれてただ静かに本を読みたい、という思いの人たちが立ち上げた図書館だ。冬眠に向けて(笑)せっせと本を図書館に送り、冬になってからゆっくりと読む。共同の本棚のようなもので、もちろんその本を持ってきた人がその本の一番目の読者になれる。読み終えた本をそのまま図書館に寄贈すればその分だけ無料で他の本が借りられるという仕組み。
図書館ではお客にコーヒーとパンとシチューが用意されている。深夜の図書館だからお夜食が用意されているわけ。しかもブランケット付き。森に囲まれた図書館ではテラスで星の明かりの下、ふくろうの声を聞きながら読書ができる。毛布と小さな読書用スタンドも貸し出してくれる。
シチュー当番はこのシチューを作る役目の人のことなのだ。でも、シチューを作るのに忙しくてちっとも本が読めないそうなので、この冬からは交代制になるらしい。

この冬眠図書館の所在は秘密らしいので、俺にも詳しいことは分からないが、想像するだけで楽しい。
シチューはいつも閲覧室のでっかいストーブに掛けてあってぐつぐつと音を立ててる。食べたくなったらお皿とスプーンを図書館から借りるのだ(シチューのお代はこのときに払う。おかわり自由。ただし、食べ過ぎたら次の当番になってシチューをつくること)。シチュー当番の人も本に熱中するあまりときどきシチューを焦がしたりしてしまって、でも捨てるのは勿体無いよねと食べるのだ。
パンもコーヒーもあとから思いついたことだから、そのためのちゃんとした厨房なんか無くて、司書用の少し広めの給湯室で作ってる。だからパンが焼きあがるとそのいい匂いが図書館の中にすぐ流れていって、一晩中本を読んでいてお腹を空かせた人たちが集まってくる。焼きたてのパンでお腹がいっぱいになる頃にはちょうど図書館が閉まるころで、このまま眠れたらどんなに幸せかと思いながら夜になるまでめいめいの寝床へ引き上げていく。
そんな冬眠生活を、俺もしてみたいもんだ。これを読んだ当時この図書館に萌え死にそうになったのを思い出したよ。
何度も言うけど、場所は秘密。俺もどこにあるかは知らないんだよね。でも、行きたいなあ。