救急車ゴー

SIMPLE2000シリーズ Vol.95 THE ゾンビV.S.救急車』をちょっとやってみる。
あらすじ。ある日地震がきて街じゅうの人がゾンビになってしまいました。主人公君は救急車に乗ってゾンビを蹴散らしつつ生存者を助けるのです。救急車はそもそも武器ではありませんが気にしたら駄目です。さあ、戦え救急車。


主人公君は研修医だそうだが、髪型はオレンジ色の坊主頭。走り方がガニマタでやけに力強い。何の躊躇いも無く救急車を武器として使う。などの点を鑑みるに「自分のことを医者だと思ってるだけの頭のおかしいヤンキー」ということで意見が一致。多分ゾンビというのも彼が見ている幻覚に過ぎないだろうという推測が成り立つ。


街の生存者のうち整備員を助けたら救急車の改造用パーツを作ってくれるって。早速何が作れるのか聞いてみると「んー、そうだな。こんなのどうだい」と濁った目で提案してくれたのは殺傷力が高そうなものばかり。でも「やる気になってる整備員ってのは得がたい宝だぜ」っておっちゃんも言ってたんだ。とりあえず発注。ゾンビを殺しまくってくれば完成するってさ。


道路の隅で座り込んだまま動けない人たちはあとで拾うからいいやってことで無視してゾンビを動かない肉片and汚らしい染みに変えてやることしばし。完成したと無線で連絡が入る。さっそく病院に戻り、装着。
ブレードの中央に禍々しく彫り込まれた十字の刻印。たった今搾り取ったばかりの血液を凝り固めたかのような鮮やかな紅色で染められたそれは力強いなどと言うよりもむしろ・・・。
「オイ坊主。下手に触ると指が落ちるぜ」
「っ!?」
「病み上がりにゃちっとしんどかったがな、お望み通りに仕上げたぜ。ま俺にできんのはこれくらいだからな。役に立ててくれや」
耳障りな咳を残して男は片足を引きずりながらガレージの奥へ消えていった。
背筋を駆け上がってきた寒気にぶるっと体をふるわせて、おれはあの十字を見ないようにしながら車に乗り込んだ。運転席からはほとんど見えないあの刃にかかって宙を舞う化物どもの姿を想像すると自然に口元につばが大量に湧き出してきた。ごくりと飲み込む。おれは街がこんな有様になって初めてこの車で外に出ることが楽しくてたまらなかった。


続かない。


ちなみに一面のボスはトレマーズだった。おまえゾンビじゃねえだろう!!