マギカロギア

魔道書大戦RPG マギカロギア (Role&Roll Books)

魔道書大戦RPG マギカロギア (Role&Roll Books)

ここ数ヶ月ろくろく遊んでもいなかったんだけど*1、少しは余裕が出てきたんで積んであった本を消化中。今日はロロステまで行ってマギカロギア購入。


神様に願をかけたワケでもないのに、個人的にすごく好きな要素が詰まったゲーム。いくらでも与太話が出来そうだ。そういや、表紙絵の人らは冊子本を持ってるんだなあ。リプレイの黒丸冬寂は短剣型だったし、ルールには魔道書の外見は何でも構わないと書いてある。でも、一番馴染み深い形としてこの絵になってるんだろうな。


このルールブックが巻子本だったらすごかったんだけど。……かえって金かかるからダメか。


巻子本、巻物、スクロール。くるくると巻いてある形は材料を長く継ぎ合わせただけの原始的な形。獣皮紙も初期はこの形だった。その理由は材料の耐久力による。(粘土板や石版は本の形になれなかったから脇に置いて)最古の原料であるパピルス紙も頑丈とは程遠かった


プリニウスの『博物誌』によれば、パピルス紙はざっと次の様に作る。
1、長い茎の外皮を剥ぎ、中の髄を縦に薄く削ぐ。
2、取り出したそれを縦横に重ねて並べる。
3、水分と糊を加えて重しを乗せて放置。その後に乾燥。
4、最後に表面を滑らかに仕上げて完成。
長くする場合は、このパピルス紙をデンプン糊で張り合わせて伸ばしたらしい。こうやって作ったパピルス紙はかさばるし折れやすいので、負担のかからない巻物状の形が自然だったんだろう。でも巻子本は中身を見るのが大変だったんで*2、巻物の中身を表す「ティトゥリ」という小さなカードが付けられていた。この「ティトゥリ」は英語の「タイトル」の語源。


ローマ時代の哲学者セネカは「人は読みもしない本を本棚一杯に詰め込んで、装飾された巻物の端とティトゥリだけを見て喜んでいる」なんて皮肉を残している。(『心の平静について』)


冊子本はどうだったかって言うと、西洋では少なくとも紀元前一世紀頃までには、蝋引きした木の板を紐で縛る「コデックス」と呼ばれるものに仕立てる古くからのアイデアが、折り畳める羊皮紙の発明と結びついていた。羊皮紙のシートはパピルス紙よりも頑丈だったんで、紐で縫い合わされ、表紙になる木の板に挟んで綴じて冊子本の形になることができた。


俺が知ってるなかで最も古いと言われてる冊子本は、1989年に西エジプトのダハラ・オアシスで見つかったという二冊の本。375年頃の本で、その中身は、ひとつは紀元前四世紀の哲学者アテナイのイソクラテスによる政治評論の写本。もうひとつは農夫が四年間に渡って付けた帳簿だったらしい。

*1:そうは言いながらスパロボZ2は既に五周目。携帯機ってスバラシイ。

*2:どこか一箇所だけを読みたくても、全部広げないと目的の箇所が見えないなんていう場合があった。立ち読みなんか店主が絶対に許さなかっただろう。