一箱古本市・続きの続き

もと来た道を引き返す。行きのときには道路の反対側だったので入れなかった伝統工芸品展を覗く。純銀のぐいのみとかべっ甲細工とか見て回る。俺がまだ長崎に住んでた頃はべっ甲細工の帆船の置物とか店に並んでいたなあ。懐かしい。さらに歩き、三崎坂のところで右に曲がり坂を登っていく。ここにも一箱古本市に参加しているお店があったが残念なことに欲しい本は見当たらず。ちょっと休憩したくなったがこの先に楽しみがあるので我慢。アフリカの布製品などを置いてある店にも入ってみたり。アフリカ投げナイフは見当たらなかった。現物を拝んでみたいもんだが。現在小旅行計画中の名古屋のリトルワールドでは見られるだろうか。


そろそろこのへんで道を曲がらないと谷中銀座を行き過ぎるだろうなというあたりで坂道から曲がる。そのまま行けるかと思ったけどお寺の入り口らしきところに突き当たったのでそこを右に曲がり、通ってきた道よりも少し大きい通りに出る。不忍ブックストリートマップを手にして歩いている人たちの流れになんとなく乗ってついていくと空き地を利用した一箱古本市のスペースに行き当たった。そろそろ喉の渇きもピークに達してきていたし、ここでもお茶が飲めたのだが、ぐっと堪える。ここの古本を見ていたら『大泥棒紳士館』のものすごく綺麗なものがあって驚く。一度失敗したので今度は逃すかと見つけたその場で買う。これでちょっと舞い上がってしまって、空き地の奥に飾られていた写真をあんまりよく見てこなかった。惜しいことをしたな。


そのまま歩いていくと「朝倉彫塑館」が建っている。ここも今回見てみたかったところなんだが、入り口のあたりにかなり大勢の人がたむろしていたので断念。また次の機会に。


さらに行ってようやく見覚えのある場所に出たが、思っていたよりも日暮里駅に近いほうだった。分かってるつもりで地図を見ないで歩いてみたが、ちょっとハズレ。あの「ザクロ」の前を過ぎ、階段を降りる。あの店長のテンションはそう頻繁にお目にかかりたいものじゃないが忘年会のときは楽しかった。あのときはアルコールで眠くなって途中からずっと水タバコを吸ってたような記憶があるけどちょっと曖昧。


階段を降りる。ここも人が多い。「肉のサトー」のところで行列に並んでメンチカツと一口ヒレカツを購入。そのまま隣で生ビールを買い、ビールケースをひっくり返してベンチにした軒下で飲む。ビールはよく冷えてて美味かった。ここまで我慢しただけの価値はたしかにあったってもんだ。日陰に座っていると風もあって結構涼しく、休憩にはもってこい。俺の左隣に座っていた外国の人がちょっと怪しい発音の日本語で「いつもこんなに人が多いんですか」とビールを売ってるおばちゃんに聞くと、「土日は人が多いよ。今日はお祭りだから、いつもより多いね」との答え。あ、やっぱりいつもよか人は多かったんか。ぐいぐいと一杯目を飲んでしまったのでおかわりし、今度は少しゆっくりと飲んで休憩終了。


もうちっと続く。