中国で1200年の歴史を誇るギャンブル

えー、麻雀かと思った人は残念ながら不正解。
今日のお題は闘蟋なのです。ちなみに『とうしつ』と読んでくださいな。
俺がいま考えている扶桑武侠傳のシナリオのネタなんだけど、他の人の参考にもなればいいなと思ったんで書いてみる。


闘牛、闘鶏、闘犬ってのは有名なんだけど、おそらく闘蟋ってのはほとんどの日本人は知らないんじゃなかろうかしらん。いや、日本でもイベントは行われてるんだけどね、中国のそれにはあらゆる面で全然及ばない。
闘蟋』の『蟋』の字は『コオロギ』の漢字『蟋蟀』の一文字目。ここから分かる通り、闘蟋というのはコオロギを戦わせる(ついでに賭け事もする)遊びのこと。いや、その、別に中国のおっとろしいバケモノを隠語でコオロギと呼ぶとかでなく、日本にもいるあの秋になるとリンリンと鳴く黒い小っさい虫のことなのよ。ホントに。
このコオロギちゃんを一匹ずつ持ち寄ったふたりの人間が「闘盆」と呼ばれる戦いの舞台にコオロギを入れ、戦わせる。ついでに勝敗結果を賭けの対象にするんである。中国でははるか昔の唐の時代、八世紀の半ばごろに「長安の金持ちたちは象牙を彫刻した籠に蟋蟀を飼い、一回の闘蟋のために万金を費やした」という記述があるそうだから、その発生はそれよりも遡れるはずだ。してみるとやはり1200年以上の歴史のある遊びなのだ。
現代においても晩夏から初冬にかけて中国では虫市が立ち、エラく賑わうそうな。であれば中国の文化に非常によく似ている部分もあるという扶桑武侠傳の世界にも闘蟋があってもおかしくはあるまい。
続く。*1

*1:今見たらちゃんとはてなのキーワードに登録されてるのな。