煮酒論剣

おさまらないコオロギ熱

明が倒れ大清国が統一王朝となった後も闘蟋は滅びなかった。むしろ更にはびこったと言ってもいいかもしれない。 かの西太后も大のコオロギ好きで、自分が茜草を持ってコオロギを操ることこそほとんどなかったものの大勢の蟋蟀把式を抱えて毎年大々的に戦わせ…

コオロギに狂った権力者

闘蟋にハマッたのは庶民ばかりじゃなかった。明代の記録に 闘蟋のために街中の子供たちがコオロギを探し回るだけでなく、諸侯・貴族までもが職務に支障をきたし、豪族は財産を食い潰し、インテリは学業がおろそかになった とあるのをみてもその熱狂っぷりと…

秘伝の書

南宋のころには後の蟋蟀迷たちのバイブルともなった『促織経』という本が書かれた。これを書いたのが当時の宰相であった賈似道という人。この人は自分も熱狂的な蟋蟀迷で、蟋蟀を戦わせているときは皇帝の使いが呼びにきても絶対に応じなかったっていうんだ…

中国で1200年の歴史を誇るギャンブル

えー、麻雀かと思った人は残念ながら不正解。 今日のお題は『闘蟋』なのです。ちなみに『とうしつ』と読んでくださいな。 俺がいま考えている扶桑武侠傳のシナリオのネタなんだけど、他の人の参考にもなればいいなと思ったんで書いてみる。 闘牛、闘鶏、闘犬…

『侠』とは何か

『扶桑』を遊ぶうえで一番気になるのがそこンところじゃなかろうかしらん。念のため言っとくけどヤーさんとは違うから気をつけてくれ。『ブラック・ラグーン (4) (サンデーGXコミックス)』の銀さんはオメガ格好良いけどああいいうのとはまた違う。 『史記』…

もうひとつの科挙

ルールブックにも記載があったので本日のネタは『武』科挙について。 実は科挙という制度は二種類あった。学問をはかるための『文』科挙と武芸をはかるための『武』科挙の2つ。しかしその比重は比べるのも馬鹿らしいほど文科挙のほうが重視され、単に「科挙…

小ネタ

おお、このカテゴリも久しぶりだ(笑)。 さて、武器一覧のなかに『判官筆』というものがある。これは材質が金属であることを除けば大きさはまるきり普通の筆と同じ。「?」と思われるかもしれないが、これは主に点穴を突くための器械で、同じ武器でも剣や槍と…

我来也から自来也へ

以上が『諧史』に収められた事件の顛末。 まああれだ。頭で勝負するタイプの盗賊だったわけだな。 あーくそ、どうにも眠いので、ここまで。

怪盗・我来也

『諧史』より。 『諧史』は宋の沈シュン(ニンベンの付いた叔の文字)の撰。河南省の汴京すなわち開封の街の雑話及び諧謔に属する話が多く収められているところから題をつけたらしい。 宋の時代のこと。都では盗人がはびこって官憲は大いに手を焼いていた。そ…

怪盗・我来也

・・・の話を書こうと思ってるんだけど、ネタにしようと思ってた本が行方不明ナリ。 さて困った。当てが外れてしまったな。ジライヤの話を先にしようかどうしようか。 むむむ。帰ったらもうちょい探してみよう。

武侠映画

そういや面白そうな映画の情報をどこかでちらっと見かけたんだが。 なんだっけかな。えーと、いや、仲間由紀恵とオダギリジョーの出るやつではなくてね。あれはヤバげな匂いがしやしませんかい? どうなのかそのへん。 ま、いいや。 Role&Rollの話になるが、…

手っ取り早い方法

一昨日に武侠小説についてなんのかんのと言い立てたが、やっぱり読みにくいだろうと思う。記事もそこを意識したのかやっぱり『北斗の拳』を教科書としている。そこは全面的に同意。 あとね、これは俺個人の意見ではないんだけど、アメコミもそのヒーローたち…

武侠とは何者か

前にも書いたが、改めて。 記事には「武を以って侠をなす者」とあるが、では本場中国で言うところの「任侠の徒」というのはどういうものか。ときとして無法者と同義語に扱われることもある表現だが果たしてそれだけか。 司馬遷の『史記』から「遊侠列伝」を…

おすすめ武侠小説・つづきのつづき

ようやく時間が空いたぜ。 さて、記事の文中で他に初心者向けとして挙げられている『侠客行』『碧血剣』。まず『侠客行』。昔の最初期の頃のドラゴンボールの孫悟空が主人公みたいな話。話の展開に疑問など持たず最後まで読みきってしまえ。雰囲気も明るいし…

おすすめ武侠小説・つづき

文中で挙げられてるものから選べばやっぱ『多情剣客無情剣』がいいかなあ。すんなり手に入るし時代設定がいつという厳密な描写がない。そういうのを気にしないで読める。それにやっぱ戦闘シーンが良いよ。脳内で楽に絵に変換できる。そして最高にハードボイ…

おすすめ武侠小説

いきなりトップに『笑傲江湖』を持ってくるんじゃねえよ。勘違いした奴がいきなり手を出したらどうしてくれる。確かに傑作だ。そこは間違いない。が、絶対に真っ先に読んではいけない。素養の無い間抜けの手に負えるような本ではない。 後に挙げられている本…

めっさ簡単な名前のつけ方

武侠傳でNPCの名前をつけるときに参考にしていただきたい。 本当にどうでもいい雑魚であれば趙千・李万とかいう名前がある。これは脇役A・Bみたいな使い捨ての名前。名前なんか無い、で流してもいいんだけどちょっと気を使ってこういうの使ってもらえると雰…

塩の生産地

武侠傳のネタとして直接の関係は無いが。知っておいて損は無い。 中国で塩と言えば大きく分けて5種類あった。 海塩・・・沿海地方で太陽熱を利用して濃縮塩水を造りそれを煎煮して製造するもの。近代以降には天日製塩も行われていた。海塩はその産出地域によ…

塩賊・つづき

さて、国のほうから見れば塩賊は不逞の輩以外の何者でもなかった。塩の専売制は国家財政の要だったから塩賊を放置することは国が傾くことを意味していた。なので塩賊への刑罰は特に厳しかった。塩賊はこれに武装化という手段で対抗。彼らには「塩の専売制は…

塩賊

塩賊というのは塩の密売人たちの秘密結社のことだ。他に塩梟・塩徒などとも呼ぶ。水滸伝を読んだことのある人なら、李俊を筆頭とする水軍の頭たちのうちにも塩の密売人が居たことを覚えていると思う。確か三国志の関羽も若い頃は塩の密売をやっていて、官憲…

対盗賊

盗賊と対決する体制側のほうは何をどうしていたか。 実は地方の治安維持は完全に自己責任で、中央から軍隊がわざわざ派遣されてくることはまずなかったと言ってもいいだろう。叛乱でも起きれば話は別だが。それに中国では昔から強力な軍隊は中央にのみ留めて…

どこからやってくるのか

前述したとおり、盗賊とは必ず集団。個人で泥棒家業をするものは全くの別物。じゃあ、集団になるだけの数の人間が何処に居るのかという話になる。 盗賊が生まれ幅を利かせるのは中央ではなくまずは地方からだ。で、そこらでは普段何をして生計を立てているか…

名称と性格

単に「盗」と呼ぶ場合が最も多く、他には「寇」「賊」ともいい、清代以降は「匪」と呼んだ。が、このへんは何と呼んでも同じ。4文字を適当に組み合わせて「盗賊」「賊盗」「賊寇」「匪賊」等々とも呼ぶ。どう組み合わせてもOK。 別には活動場所や行動形式か…

盗賊という存在

盗賊と言われてぱっと思い浮かぶのはどういう連中だろうか? 世紀末世界で改造バギーに乗ったモヒカンでボウガン持った連中とか、自称美少女天才魔道士(貧乳)に攻撃呪文一発で跡形もなくふっとばされる連中とか、鬼の火盗改メ長官に一網打尽にされる連中とか…

盗賊について

・・・ていうタイトルで書こうと持ってるんだけどまとめるのに苦労してる。ネタにしよう読む本もどんどん冊数が増えてくので、どんどん収集のつかない方向へ。あーもー、どうすっかなー。

点穴術修行その3

ここまでの修行全てを完了させてから、ようやく人間相手の練習となる。でもいきなり相手を突かせるのはまだ駄目ってことで、練習相手にプロテクターを着けてもらうなどする。このプロテクターに点穴の位置が書いてあるかっていうとまあ場合による。 で、この…

点穴術修行その2

「点穴は容易であるが認穴は難しい」という言葉がある。これは全身の諸穴の位置を完璧に覚えろというだけでなく、戦闘中に相手の経絡の気脈の流れを見切れという意味も含む。 というのも、経絡の気脈の流れによって効果の有無が変わってくるからだ。場合によ…

点穴術修行その1

点穴の技は指の力が要となる。突きにいって骨折しましたじゃ話にならないので、まずは手指を入念に鍛え上げていくところかあら始まる。 1.点木・・・初めて練習を開始する時は比較的やわらかい木などを用いて練習する。具体的な練習方法は、まず金針指や金…

点穴術

良い資料が出てきたので、本日はこれ。 武侠小説において、敵を殺さずにおきたい場合や実力の差を見せつけたりする場合に頻繁に出てくる「人間の体を走る12本の経絡に沿って存在する諸穴を指で突く技術」のこと。いや、武侠小説だと関節技は見栄えがパッとし…

アダ名の分析

水滸伝の豪傑たちの個性的なアダ名のそれぞれの由来や意味は実際に本を読んでもらうとして、このアダ名のつけ方にも組み合わせルールがある。そのルールを知っていれば武侠傳のキャラ作成の際に何かと役立つだろうと思うので、水滸伝の中に出てくるもののう…