点穴術修行その2

「点穴は容易であるが認穴は難しい」という言葉がある。これは全身の諸穴の位置を完璧に覚えろというだけでなく、戦闘中に相手の経絡の気脈の流れを見切れという意味も含む。
というのも、経絡の気脈の流れによって効果の有無が変わってくるからだ。場合によっては点穴術の殆どが無効になってしまう。*1 よって、修行者はまず目を閉じていても触るだけで人体のどの部分のどのツボであるかを完璧に認識できなくてはならないとされる。
『十二経気血流注時辰歌訣』という点穴暗記用のテキストがあって、修行はまずはこれを丸暗記するところから始まる。書くのが面倒なんで詳細は割愛。鍼灸の本にも載ってるから大きい本屋に行けば見つかるだろ。勝手に探せ。
さて、とりあえずテキストを丸暗記したところで実技に移る。実技と言っても人間相手ではなく、紙に人体の絵と経絡を書いて、それを押しながら確認しつつ覚えていく。とか、木彫りの人形=木人に経絡と全身の諸穴を彫り込んでそれを相手に練習。とかのちょっと鬱になりそうな(笑)修行がえんえんと続けられる。この修行は全く明かりの無い場所でも行われる。前述の通り目を閉じていても場所がわかるようにするためだ。
これらの修行を終えた後、ようやく人間相手の修行となる。
もうちょい続く。

*1:極端な例だが、『北斗の拳』のサウザーは内臓の位置が常人とは左右逆のためにケンシロウ経絡秘孔を突いても効かなかった。よね、確か。心臓だけだったかもしれないが。失念。要は単純に血液の流れが違うだけでも点穴が効かないことがあるということだ。