塩賊・つづき

さて、国のほうから見れば塩賊は不逞の輩以外の何者でもなかった。塩の専売制は国家財政の要だったから塩賊を放置することは国が傾くことを意味していた。なので塩賊への刑罰は特に厳しかった。塩賊はこれに武装化という手段で対抗。彼らには「塩の専売制は庶民を苦しめる悪法であり、それに乗じて儲ける商人どもも許しがたい。俺らは庶民の為にあえて塩の密売をやってるんだ」ってな考え方が根強かったから、追求の厳しさはかえって塩賊の反骨精神をあおったとも言えるだろう。庶民たちも国よりも自分たちの生活に近い塩賊のほうへ肩入れした。そういうわけで、塩賊は完全に滅びることはなく中国に存在し続けた。
武侠傳でPCの肩書きを塩の密売人にするのも俺はOKだと思うが、間違っても江湖の人間以外に大っぴらに宣言してはいけない。捕まったら100%死刑だからな。まあ、庶民は基本的に塩賊に好意を抱いていたから密告されることはあまりないかもしれない。が、油断は禁物だ。例外なぞいくらでもあるからな。
義侠の士として庶民には好意的に迎えられていた塩賊だが、PCの敵として出すことももちろん可能だ。役人・特許商人・塩賊の3者がぐるになるなんてことになればもう庶民は泣き寝入りするしかない。そんな庶民の窮状を救えるのはもはやPCたちしかいないだろう。遠慮は無用。貪官汚吏どもも江湖の面汚しもまとめて片付けてしまうがいい。