2005-04-22から1日間の記事一覧

まとめ

『科挙―中国の試験地獄 (中公新書 (15))』にも述べられている通り、科挙はどう考えても無茶な制度であり、弊害も多かった。そもそも科挙の試験範囲はほとんど四書五経の古典の丸暗記でそれを学問と呼べるかって問題もある。 思うに、科挙制度の最大の効果は…

殿試

この殿試は宋の時代になってから設けられたもので実は単に最終試験としてではなく、もっと重要な別の役割があった。科挙はその男の一生を左右するものだから、合格させてくれた試験官に特別の恩を感じるようになる。ここに私的な関係が生まれ、やがては親分…

ゴールまで

まあかくの如く試験が積み重なるわけで、しかもそれぞれの試験は複数回あり、試験会場に入ったら終了するまではひとりひとり独房に入れられて外部との接触は一切禁止された。これは試験官のほうも同じで、要するに不正を防ぐ仕組みであった。 一度の試験は複…

科挙のしくみ

文章だけで説明しようとするのは難しすぎるので、まずは図でご覧あれ。 進士になるまでの流れ 童生:ヒラ受験生。 県試、府試、院試、歳試を受験して次へ。 ↓ └── 学校試 ──┘ ↓ 生員:予備試験合格者。国立大学の生徒。 科試を受験して次へ。ここからが本番…

受験戦争

いつの時代であろうと試験ってな学生にとっちゃつらい試練だよなァ。 ということで、『科挙』と武侠小説の関わりについて。え? と思われるかもしれないがこの科挙という制度は古くは隋の時代から延々とつい100年前まで存在した制度であり、これを無視して中…